業務・画面の設計学習記事全11節Design

入力ミス・差戻し・空の一覧・通信失敗の画面を、実装前に決める

この記事で身につくこと入力ミス、差戻し、空の一覧、通信失敗、キーボード操作、読める表示を設計対象として扱う理由を説明できる。

記事内目次(22項目)
この記事の管理情報(該当工程・関連要件・成果物の閲覧と保存・実行記録)
記事ID
04-04
該当工程
04-04 例外と使いやすさを設計する(関連:04-03、02-04、08-04、09-03)
関連要件
REQ-004
到達目標
入力ミス、差戻し、空の一覧、通信失敗、キーボード操作、読める表示を設計対象として扱う理由を説明できる
主要な成果物
確認環境と検証状況
本文・ひな形・記入例はClaude Codeが作成。第5.4節の指示文と第6節の初稿は説明用の例であり、実際にAIへ送信・観測した記録ではない。人による実読・内容確認は未実施。
未検証の範囲
表示文の分かりやすさは、実際の利用者による確認(10-01)で確かめる必要があり、この記事の時点では行っていない。

正本の原稿にある管理表(記事ID・先に読むと理解しやすい記事・成果物パス・最終更新日など)は、この下の本文冒頭に「原稿の管理表」として開閉できる形で残しています。

原稿の管理表(13項目:記事ID・カテゴリ・要件ID・先に読むと理解しやすい記事・成果物パス・対象ツール・検証状況・最終更新日など)
管理項目内容
記事ID04-04
主な中カテゴリ04-04 例外と使いやすさを設計する
関連中カテゴリ04-03、02-04、08-04、09-03
関連要件IDREQ-004
先に読むと理解しやすい記事04-03(正常時の流れを確認する)を読んでいると理解しやすい。未読でも本文で必要な内容は説明する
到達目標入力ミス、差戻し、空の一覧、通信失敗、キーボード操作、読める表示を設計対象として扱う理由を説明できる
3層の配置理解する=第3〜4節/作って確かめる=第5〜7節/設計を判断する=第8節
成果物パスtemplates/04-04-exceptions-ui_template.md、templates/04-04-exceptions-ui_example.md
出典第11節参照
対象ツール・バージョン特定ツールに依存しない
検証状況本文・ひな形・記入例はClaude Codeが作成。第5.4節の指示文と第6節の初稿は説明用の例であり、実際にAIへ送信・観測した記録ではない。人による実読・内容確認は未実施
残課題第11節参照
最終更新日2026-09-20(新規作成。同日、Phase 5B-2A:読む順路・第4節の判断項目・第5.4節「AIに表示文の下書きを頼む」(渡す情報・指示文)・第6節のレビュー観点・記事間の参照を追加。例外画面・表示ルール・完了条件は不変)

この記事の会社・人物・数値はすべて架空の設定です。実在する会社や案件とは関係ありません。

この記事は何の話か。04-03で確認した正常な流れの他に、必須項目が欠けた提出、理由のない差戻し、依頼が0件の一覧、保存中の通信失敗という4つの場面で、画面に何を表示し、利用者が次に何をできるかを決める話です。

なぜ必要か。正常な流れだけを想定して作ると、少しでも想定と違う操作や状況が起きたときに、利用者が何をすればよいか分からなくなったり、内部の仕組みに関する情報が意図せず表示されてしまったりします。

この記事を読むとできるようになること。

  • 入力ミス、差戻し、空の一覧、通信失敗などを設計対象として扱う理由を説明できる
  • 4つの例外場面について、表示内容と次に取れる操作を書ける
  • エラー表示に何を出し何を出さないかを、使いやすさと安全性から判断できる

読む順路。この記事は3つの深さで読めます。全部を順に読む必要はありません。

  • 基本だけ理解する:第1節→第3節(4つの例外場面と誤解)→第4節(判断すること)→第5.2〜5.3節(例外時の画面と、出さない情報)→第9節。ここまでで、例外場面ごとに「表示文・次の操作・出さない情報」を決める形が分かります。AIへの依頼は出てきません。
  • 作って確かめる:上に加えて第5.4節(AIに表示文の下書きを頼む)→第6節(初稿に混ざる内部情報の露出の見つけ方)→第7節。
  • 設計判断を深める:上に加えて第8節(使いやすさと安全性のバランス、適用限界)。

1. 今回の業務課題と完成するもの

この記事でやることは、04-03で確認した正常な流れに加えて、入力不備・差戻し・空の一覧・通信失敗という4つの場面について、画面の表示内容と、利用者が次に取れる操作を決めることです。

04-03までで「想定どおりに進んだ場合」の流れは確認できましたが、実際の利用では、入力を間違えたり、通信が一時的に失敗したりすることがあります。この記事では、それらの場面を先に設計しておきます。

この記事を読み終えると、次のものが手元にできます。

  • 例外時の画面・表示ルール(場面、表示文、次の操作、出さない情報、関連要件ID)

2. 前提知識と読む順路

この記事で使う言葉を先に説明します。

例外

一言でいうと、想定どおりではない操作や状況のことです。たとえば、必須項目を入力せずに提出しようとすることが例外にあたります。

キーボード操作

一言でいうと、マウスを使わずにキーボードだけで操作できることです。たとえば、Tabキーで次の入力欄に移動できることです。

読める表示

一言でいうと、文字の大きさや色などが、誰にとっても読みやすい表示のことです。

これがないと、正常系だけを想定した画面では、少し違う状況になっただけで利用者が操作に迷ったり、一部の利用者が読みにくい画面になったりします。

読む順路:正常系の確認は04-03が該当します。受入条件は02-04(記事AのAC-005・006が入力不備と差戻しに対応)が該当します。この記事の例外画面は、08-04(エラー処理と保守しやすさを整える)、09-03(例外・権限・同時操作・負荷を確認する)で使います。

3. 理解する:なぜ例外を設計対象にするか

3.1 4つの例外場面

場面何が起きるか
入力不備件名・内容・承認者などの必須項目が欠けたまま提出しようとする
差戻し(理由なし)承認者が差戻し理由を入力せずに差戻そうとする
空の一覧依頼が1件もない状態で一覧画面を開く
通信失敗提出や承認の処理中に、通信が失敗する

うまくいかない場面も画面にする。入力不備・理由なし:何が不足しているかを伝える。空の一覧:0件であることが分かる表示にする。通信失敗:完了したと決めつけずに扱う。表示文言と具体的な操作は本文の設計表へ。

3.2 よくある誤解

「例外は実装のときに考えればよい」。例外時の表示や操作を決めずに実装すると、開発者ごとにばらばらな表示になったり、内部のエラーメッセージがそのまま利用者に見えてしまったりします。

「エラーは詳しく表示するほど親切」。詳しすぎるエラー表示は、内部の仕組み(保存先の種類など)に関する情報を意図せず外部に見せてしまうことがあります(第4.2節)。

「空の一覧は特別な対応をしなくてよい」。依頼が0件の状態を何も考慮しないと、利用者は「動いていないのでは」と誤解することがあります。

「AIに例外の一覧を作らせればよい」。AIは一般的な例外の型を提示できますが、この業務でどこまで表示し、何を出さないかは、要件(REQ-004)に基づいて人が判断します(第4.3節)。

4. 判断すること

例外時の画面を決めるときに人が判断することは、次の4つです。

判断することなぜ判断が必要か仮置きしてよいか間違えた場合の影響
どの例外場面を設計対象にするか場面を決めないと、実装のときに開発者(またはAI)が場面ごとに勝手な表示を作る(第3.2節)可(この記事では4場面。同時更新などは05-02・09-03へ)設計に無い場面で、内部のエラーがそのまま利用者に見える
表示文に何を出すか(利用者が次に何をすればよいか)表示文の目的は、利用者が次の操作を選べること。「エラーが発生しました」では選べない可(文言は10-01の受入確認で利用者に見てもらって直す)利用者が問い合わせるか諦めるしかなくなり、01-03で減らそうとした問い合わせが増える
表示文に何を出さないか(内部情報・他人の依頼)出さない情報を先に決めないと、開発時に「親切のつもり」で内部情報を出してしまう不可。保存先の種類・内部エラー・他人の依頼の内容は最初から「出さない」に置く内部の仕組みが外部から推測できる。権限のない情報が見える(記事AのREQ-002に反する)
通信失敗のときに再試行を勧めるか、止めるか再試行で二重の提出が起きる可能性がある可(この記事では「時間をおいて再試行」とし、二重の提出の扱いは05-02・08-04で決める)再試行で同じ依頼が2件提出される

勝手に決めてはいけないこと:04-02・04-03にない画面や項目を、この記事で新しく作りません。例外時の表示に限定します。内部の仕組み(保存先の種類、処理の内部エラーコードなど)を、そのまま利用者に見せる表示にしません。

AIに任せる範囲:一般的なエラー表示の型や文言の候補の提示、表の形への整理はAIに任せられます。しかし、どこまで詳しく表示し、何を出さないかは、REQ-004(必須項目・差戻し理由の要件)とREQ-002(見える範囲)に基づいて人が判断します。AIの文言候補には内部のエラーメッセージがそのまま混ざることがあるため、人が「出さない情報」の表と照合します(第6節)。

5. 作って確かめる:例外時の画面・表示ルールを作る

5.1 準備

04-02の画面の原型、04-03の正常系確認記録、02-04の受入条件を用意します。

5.2 例外時の画面

場面表示文次に取れる操作関連要件ID
入力不備(必須項目が欠けている)「件名を入力してください」など、欠けている項目名を示す欠けている項目を入力して再度提出するREQ-004
差戻し(理由なし)「差戻し理由を入力してください」差戻し理由を入力してから差戻すREQ-004
空の一覧「表示できる依頼がありません」依頼を新しく作成する、または絞り込み条件を変える—
通信失敗「通信に失敗しました。時間をおいて再度お試しください」再試行する。繰り返し失敗する場合は運用担当へ連絡する(10-03で扱う連絡先)—

5.3 出さない情報の表示ルール

出さない情報理由
保存先の種類や内部のエラーコード内部の仕組みが外部から推測できる情報になり得るため
他の利用者の依頼の内容権限のない情報を意図せず見せないため(REQ-002)
システムの内部処理の詳細(処理の順序など)利用者の操作には不要な情報のため

5.4 AIに表示文の下書きを頼む

4場面と「出さない情報」の表が決まると、表示文の下書きをAIに頼めます。AIがするのは、場面ごとに利用者向けの文言候補を出すことです。採用する文言と、出さない情報の最終確認は人が行います。

渡す情報内容渡さない情報と理由
4つの例外場面入力不備・差戻し(理由なし)・空の一覧・通信失敗実際のエラーログ・接続先の情報(内部情報を渡すと、文言に混ざりやすい。架空の題材では存在しない)
出さない情報の表第5.3節—
要件REQ-004(必須項目・差戻し理由)、REQ-002(見える範囲)—

指示文は次のとおりです。これは説明のために書いた例で、実際にAIへ送信した記録ではありません。

架空企業「みらい業務サービス」の依頼・承認管理アプリについて、次の4つの例外場面で画面に出す表示文と、利用者が次に取れる操作の下書きを作ってください。

場面:入力不備(必須項目が欠けている)、差戻し(理由なし)、空の一覧、通信失敗

条件:
- 表示文は利用者向けの言葉で、次に何をすればよいかが分かる形にしてください。
- 次の情報は表示文に含めないでください:保存先の種類、内部のエラーコードやメッセージ、他の利用者の依頼の内容、処理の順序などの内部の詳細。

してはいけないこと:
- 4場面以外の場面を追加しないでください。
- 画面や項目を新しく作らないでください。

返し方:
- 「場面・表示文・次に取れる操作」の表だけを返してください。

6. 初稿・失敗例・修正

6.1 説明用の失敗例(AIの初稿という設定)

第5.4節の指示に対して、次のような下書きが返ってきた、という設定にします(実際のAI出力を観測したものではなく、教えるために不備を入れた説明用の例です)。

  • 通信失敗の表示文に「データベース接続エラー:connection refused」という内部のエラーメッセージをそのまま含めていた
  • 空の一覧の場面で、表示文だけがあり「次に取れる操作」が書かれていなかった

6.2 見つけ方と直し方

見るところは2つです。表示文に「出さない情報」(第5.3節)が含まれていないか。各場面に「次に取れる操作」があるか。

問題点なぜ問題かどう見つけるか誰が判断するかどう直したか
通信失敗の表示文に「データベース接続エラー:connection refused」が含まれている保存先の種類と内部のエラーメッセージが利用者に見える。第5.3節「出さない情報」の1行目に反する。利用者にとっては次に何をすればよいかも分からない表示文の中の英語・記号・製品名・「エラーコード」を探し、第5.3節の表と照合する。開発者にしか意味が分からない語があれば内部情報設計の責任者(架空:開発担当)と、表示を見る利用者役「通信に失敗しました。時間をおいて再度お試しください」に直し、内部の情報は08-04の記録(ログ)へ回した
空の一覧の場面に「次に取れる操作」が無い「表示できる依頼がありません」だけでは、利用者は「動いていないのでは」と誤解する(第3.2節)。完了条件を満たさない表の「次に取れる操作」列が空の行を探す設計の責任者「依頼を新しく作成する、または絞り込み条件を変える」を追加した

「親切のつもりで詳しく出す」文言ほど、内部情報が混ざりやすい箇所です。詳しさではなく、利用者が次の操作を選べるかで判断します。

AIへの修正指示は次のとおりです(説明用の例)。

指摘:
1. 通信失敗の表示文から、内部のエラーメッセージ(データベース接続エラー:connection refused)を削除し、利用者向けの表現にしてください。内部の情報は表示せず、記録(ログ)に残す方針です。
2. 空の一覧の場面に、次に取れる操作を追加してください。

変えないこと:
- 4場面と表の列は変更しないでください。

6.3 修正後の画面・表示ルール

修正後の例外時の画面・表示ルールは、第5.2〜5.3節のとおりです。採用したのは表示文の「型」であり、実際の文言の分かりやすさは10-01の受入確認で利用者に確かめてもらいます(この教材の時点では画面が未実装のため未確認)。

7. 確認結果

第5.2〜5.3節の内容を、完了条件と照合します。

完了条件確認結果
入力不備・差戻し・空一覧・通信失敗の4場面がある第5.2節に4場面すべて記載
各場面に「次に取れる操作」がある第5.2節の全行に記載
表示ルールに「出さない情報」がある第5.3節に3項目記載

残る制限:この例外設計は架空の画面原型に基づく一例です。実際の表示文の分かりやすさは、利用者による確認(10-01の受入確認)で確かめる必要があります。第5.4節の指示文と第6節の初稿は説明用の例であり、実際にAIへ送信・観測した記録ではありません。この記事の本文と記入例はClaude Codeが作成したもので、業務担当者による内容確認は行っていません。

8. 設計を判断する

8.1 使いやすさと安全性のバランス

選択肢使いやすさ安全性
エラーの詳細情報をすべて表示する開発者にはデバッグしやすいが、利用者には分かりにくい内部の仕組みが外部に見えてしまう可能性がある
利用者向けの簡潔な表示にする(採用)利用者は次に何をすればよいか分かりやすい内部情報の露出を防げる

内部の詳しいエラー情報は、利用者向けの画面には表示せず、必要であれば08-04で扱う記録(ログ)に残す方針とします。

8.2 適用限界

この例外設計は、架空企業「みらい業務サービス」の4場面を前提にした一例です。実際の利用では、これ以外の例外(例えば、同時に複数人が同じ依頼を編集しようとする場合)もあり、それらは05-02・09-03で扱います。

9. 持ち帰る成果物

成果物空欄版記入例
例外時の画面・表示ルールひな形(場面、表示文、次の操作、出さない情報、関連要件ID)templates/04-04-exceptions-ui_template.mdtemplates/04-04-exceptions-ui_example.md

自分の業務に使うときの手順は次のとおりです。

  1. 前工程(画面の原型、正常系確認記録、受入条件)を用意する
  2. 入力不備・差戻し・空一覧・通信失敗などの例外場面を挙げる
  3. 各場面の表示文と、次に取れる操作を書く
  4. 出さない情報の表示ルールを書く

10. 次工程への受渡し

次へ渡すもの:例外時の画面・表示ルール。

次工程での使われ方:08-04(エラー処理と保守しやすさを整える)では、この表示ルールをもとに実装します。09-03(例外・権限・同時操作・負荷を確認する)では、この例外設計が検証観点になります。10-01では、入力不備(AC-005)と差戻し(AC-006)の表示を受入条件として確認します。

前工程へ戻る条件:例外場面が04-02・04-03の画面と食い違う場合は、それぞれの記事に戻って確認します。

11. 根拠と更新情報

  • この記事の会社・人物・表示文はすべて架空の設定です。
  • 第6節の初稿は説明用の失敗例であり、実際のAI出力を観測した記録ではありません。
  • 必須項目・差戻し理由の要件(REQ-004)は、教材設計書AI_SYSTEM_DEV_BLUEPRINT_v0.1.md第5.4節に基づきます。
  • 制作の来歴:本文・ひな形・記入例はClaude Codeが作成しました。人(ユーザー)による実読・内容確認は未実施です。
  • 第5.4節の指示文は、この記事のために書いた指示文の例であり、実際にAIへ送信した記録ではありません。
  • 2026-09-20(Phase 5B-2A):読む順路(3つの深さ)、第4節の判断項目、第5.4節「AIに表示文の下書きを頼む」(渡す情報と指示文)、第6.2節のレビュー観点の表、記事間の参照を追加した。例外画面・表示ルール・完了条件は変えていない。
  • 未確認事項:表示文の分かりやすさは、実際の利用者による確認(10-01)で確かめる必要があり、この記事の時点では行っていません。