業務・画面の設計学習記事全11節Design

実装前に、下書きから承認済みまでの画面遷移を役割別にたどる

この記事で身につくこと正常系(想定どおりの操作)を利用者別にたどる確認の目的と、実装前に行う意味を説明できる。

記事内目次(18項目)
この記事の管理情報(該当工程・関連要件・成果物の閲覧と保存・実行記録)
記事ID
04-03
該当工程
04-03 正常時の流れを確認する(関連:04-02、04-04、09-02)
関連要件
REQ-001、REQ-002、REQ-003
到達目標
正常系(想定どおりの操作)を利用者別にたどる確認の目的と、実装前に行う意味を説明できる
主要な成果物
確認環境と検証状況
本文・ひな形・記入例はClaude Codeが作成。人による実読・内容確認は未実施。
未検証の範囲
この確認記録は紙の上での確認であり、実際に動く画面での確認は08以降で行う。

正本の原稿にある管理表(記事ID・先に読むと理解しやすい記事・成果物パス・最終更新日など)は、この下の本文冒頭に「原稿の管理表」として開閉できる形で残しています。

原稿の管理表(13項目:記事ID・カテゴリ・要件ID・先に読むと理解しやすい記事・成果物パス・対象ツール・検証状況・最終更新日など)
管理項目内容
記事ID04-03
主な中カテゴリ04-03 正常時の流れを確認する
関連中カテゴリ04-02、04-04、09-02
関連要件IDREQ-001、REQ-002、REQ-003
先に読むと理解しやすい記事04-02(画面の原型を作る)を読んでいると理解しやすい。未読でも本文で必要な内容は説明する
到達目標正常系(想定どおりの操作)を利用者別にたどる確認の目的と、実装前に行う意味を説明できる
3層の配置理解する=第3〜4節/作って確かめる=第5〜7節/設計を判断する=第8節
成果物パスtemplates/04-03-flow-check_template.md、templates/04-03-flow-check_example.md
出典第11節参照
対象ツール・バージョン特定ツールに依存しない
検証状況本文・ひな形・記入例はClaude Codeが作成。人による実読・内容確認は未実施
残課題第11節参照
最終更新日2026-09-20(新規作成。同日、Phase 5B-2A:読む順路・第4節の判断項目・第5.3節「抜けの見つけ方」・記事間の参照を追加し、確認結果が机上の照合であることを明記。確認記録・発見事項・完了条件は不変)

この記事の会社・人物・数値はすべて架空の設定です。実在する会社や案件とは関係ありません。

この記事は何の話か。04-02で作った画面の原型をもとに、依頼の作成から提出、承認者の確認、承認までの「想定どおりの流れ(正常系)」を、実装する前に紙の上でたどる話です。

なぜ必要か。実装してから画面のつながりの抜けに気づくと、作り直しの手間が大きくなります。実装の前にたどっておけば、紙の上での修正で済みます。

この記事を読むとできるようになること。

  • 正常系を利用者別にたどる確認の目的と、実装前に行う意味を説明できる
  • 依頼作成→提出→承認者の確認→承認までを画面遷移図でたどり、正常系確認記録に書ける
  • たどる中で見つかった抜けを、画面追加・要件変更・運用対応のどれで扱うか判断できる

読む順路。この記事は3つの深さで読めます。全部を順に読む必要はありません。

  • 基本だけ理解する:第1節→第3節(実装前にたどる意味)→第4節(判断すること)→第5.2節(確認記録)→第9節。ここまでで、正常系を「手順番号・役割・画面・操作・期待表示」でたどる形が分かります。
  • 作って確かめる:上に加えて第5.3節(発見事項と、抜けの見つけ方)→第6節(完了条件との照合)→第7節。
  • 設計判断を深める:上に加えて第8節(発見事項を画面・要件・運用のどこで扱うか、適用限界)。

1. 今回の業務課題と完成するもの

この記事でやることは、04-02で作った依頼作成・一覧・詳細の3画面をもとに、依頼者が依頼を作成してから、承認者が確認して承認するまでの「想定どおりの流れ」を、手順を追ってたどり、正常系確認記録に書くことです。

04-02では画面の項目や操作ボタンを決めましたが、それらの画面が実際につながって一連の業務を実現できるかは、まだ確かめていません。この記事では、それを確かめます。

この記事を読み終えると、次のものが手元にできます。

  • 画面遷移・正常系確認記録(手順番号、役割、画面、操作、期待表示、確認結果、発見事項)

2. 前提知識と読む順路

この記事で使う言葉を先に説明します。

正常系

一言でいうと、想定どおりの操作が、想定どおりの順番で行われる場合の流れです。たとえば、依頼者が必須項目をすべて入力して提出する、というのが正常系です。

これがないと、まず異常な操作(入力ミスなど)への対応から考えてしまい、そもそもの正しい流れが固まらないまま進んでしまいます。異常系は04-04で扱います。

画面遷移

一言でいうと、ある画面から次の画面へ移ることです。たとえば、依頼作成画面で「提出」を押すと、一覧画面に移る、というのが画面遷移です。

読む順路:画面の原型は04-02、操作シナリオは04-01が該当します。この記事の確認記録は、04-04(例外と使いやすさを設計する)、記事B(09-02)のシナリオの元になります。

3. 理解する:なぜ実装前にたどるか

3.1 実装前にたどる意味

実装前にたどらなかった場合実装前にたどった場合
実装後に「承認者が割当依頼の一覧を見る画面がない」と気づき、作り直しになる紙の上で気づき、04-02の画面原型を修正するだけで済む
各画面の遷移が途切れていても気づきにくい手順番号を追うことで、途切れがあれば分かる

3.2 よくある誤解

「画面を作ってから動かして確認すればよい」。実装してからの手戻りは、紙の上での修正よりも手間がかかります。この記事は実装前(04-02の直後)に行います。

「正常系さえ確認すれば十分」。正常系の確認だけでは、入力ミスや通信失敗などの異常時の扱いは分かりません。それらは04-04で扱います。

「AIに画面遷移を確認させればよい」。AIは一般的な画面遷移の型を提示できますが、この業務で実際に画面がつながっているかは、04-02の画面原型に基づいて人が確認します(第4.3節)。

4. 判断すること

紙の上でたどるときに人が判断することは、次の3つです。

判断することなぜ判断が必要か仮置きしてよいか間違えた場合の影響
どの役割の、どの操作から、どの操作までを1本の流れとしてたどるか流れの始点と終点が曖昧だと、途中の抜けに気づけない(第3.1節)可(この記事では「依頼者の作成→承認者の承認→依頼者の確認」を1本にする。差戻しの流れは別にたどる)承認者の手順を飛ばして「依頼者だけの流れ」をたどり、承認者の画面の抜けに気づかない
各手順の「期待表示」を、画面原型のどの記述と照合するか期待表示は04-02の項目定義から書く。原型に無い表示を期待すると、確認ではなく願望になる不可。期待表示は原型の項目定義に根拠を持たせる原型に無い「割当先での絞り込み」を、あるものとして通してしまう(第5.3節がまさにこの抜け)
見つけた抜けを、画面修正・要件変更・運用対応のどれに戻すか戻す先で、直す人と直し方が違う(第8.1節)可(対処先の候補を書き、決定は戻した先の記事で行う)この記事の中で画面を勝手に足し、02-02の機能一覧や05-03の権限表と食い違う

勝手に決めてはいけないこと:04-02にない画面や項目を、この記事で新しく作りません。発見した抜けは、対処先(04-02・02・運用)に戻して判断します。発見した抜けを、この記事の中で機能追加として即決しません。

AIに任せる範囲:手順の表への整理や、一般的な画面遷移の型の提示はAIに任せられます。しかし、この業務で実際に画面がつながっているかは、04-02の画面原型に基づいて人が確認します。AIは原型に無い画面を「あるはず」として補ってしまうことがあるため、期待表示の根拠が原型にあるかを人が見ます。

5. 作って確かめる:画面遷移・正常系確認記録を作る

5.1 準備

04-02の画面の原型(依頼作成・一覧・詳細の3画面)と、04-01の操作シナリオを用意します。

5.2 画面遷移・正常系確認記録

手順番号役割画面操作期待表示確認結果
1依頼者依頼作成画面件名・内容・承認者を入力し「提出」を押す一覧画面に遷移し、自分の依頼が「提出済み」で表示される一致
2承認者一覧画面状態を「提出済み」で絞り込む自分に割り当てられた提出済みの依頼が表示される発見事項あり(第5.3節)
3承認者詳細画面依頼の内容を確認し「承認」を押す状態が「承認済み」に変わり、一覧に反映される一致
4依頼者一覧画面自分の依頼の状態を確認する状態が「承認済み」で表示される一致

手順1〜4で、下書き(作成中)→提出済み→承認済みという状態の遷移がすべてたどれています。「確認結果」の列の「一致」は、期待表示が04-02の画面原型の項目定義と机上で一致したことを表します。実際に動く画面を観測した結果ではありません(第6節)。

5.3 発見事項

手順2で、一覧画面の「状態で絞り込む」機能だけでは、「自分に割り当てられた依頼だけ」を絞り込む方法が04-02の画面原型に明記されていないことに気づきました。

抜けの見つけ方は共通しています。手順ごとに「その画面で、その役割が、その操作をするために必要な表示・条件が、原型の項目定義に書いてあるか」を問います。手順2では、承認者が「自分に割り当てられた」依頼を見る必要がある(05-03の権限表、記事Aの役割表)のに、原型の一覧画面には「状態で絞り込む」しか無い、という食い違いとして見つかります。「たぶんあるだろう」で通さず、原型の記述を指せない期待表示は抜けとして記録します。

発見事項対処先対処内容
一覧画面に、承認者が「自分に割り当てられた依頼」を絞り込む方法が明記されていない04-02(画面の原型)一覧画面の項目定義に「割当先で絞り込む」条件を追加する(05-03の権限表とも整合させる)。対処の決定は04-02側で行い、この記事では候補まで

6. 確認結果

第5.2〜5.3節の内容を、完了条件と照合します。

完了条件確認結果
下書きから承認済みまでの遷移が途切れない第5.2節の手順1〜4で途切れなくたどれている
各手順に役割と期待表示がある第5.2節の全行に記載
発見事項に対処先がある第5.3節に記載

残る制限:この確認記録は架空の画面原型に基づく一例です。実際の画面が完成したあとの動作確認(08・09)ではなく、実装前の紙の上での確認であり、「一致」は原型の記述との机上の照合です。実際に動く画面での確認は10-01の受入確認で扱い、その時点では画面が未実装のため未確認として残っています。この記事の本文と記入例はClaude Codeが作成したもので、業務担当者による内容確認は行っていません。

7. よくある勘違いと直し方

  • 発見事項をこの記事の中だけで解決しようとする:発見した抜け(割当先での絞り込み)は、04-02に戻して画面原型を修正するのが正しい対処です。この記事の中で新しい画面を勝手に作りません。
  • 正常系だけを見て「もう完成」と思い込む:正常系の確認は、次工程(04-04)の異常系確認とセットで初めて実装に進める状態になります。

8. 設計を判断する

8.1 発見事項をどこで扱うか

選択肢内容適する場合
画面追加・修正(04-02へ戻す)画面の項目や表示条件を追加・修正する既存の機能一覧(02-02)の範囲内で対応できる場合
要件変更(02へ戻す)新しい機能や条件を要件として追加する機能一覧にない新しい業務ルールが必要な場合
運用対応画面を変えず、運用のルールで対応する発生頻度が低く、画面変更の手間に見合わない場合

今回の発見事項(割当先での絞り込みがない)は、02-02の機能一覧にすでにある「一覧閲覧」機能の範囲内で対応できるため、04-02への画面修正で対処することを判断します。要件変更や運用対応は不要と判断します。

8.2 適用限界

この確認記録は、架空企業「みらい業務サービス」の3画面を前提にした一例です。画面数が増える場合は、同様の手順でたどり直す必要があります。

9. 持ち帰る成果物

成果物空欄版記入例
画面遷移・正常系確認記録ひな形(手順番号、役割、画面、操作、期待表示、確認結果、発見事項)templates/04-03-flow-check_template.mdtemplates/04-03-flow-check_example.md

自分の業務に使うときの手順は次のとおりです。

  1. 前工程(画面の原型)を用意する
  2. 依頼作成から承認までの手順を、役割ごとに1つずつたどる
  3. 各手順の期待表示と実際の確認結果を書く
  4. 見つかった発見事項に、対処先(画面/要件/運用)を書く

10. 次工程への受渡し

次へ渡すもの:画面遷移・正常系確認記録、発見事項とその対処先。

次工程での使われ方:04-04(例外と使いやすさを設計する)では、この正常系の流れをもとに異常時の画面を設計します。記事B(09-02)では、この確認記録がシナリオの元になります。

前工程へ戻る条件:発見事項が04-02の画面原型の修正で対処できると判断したら、04-02に戻って修正します。

11. 根拠と更新情報

  • この記事の会社・人物・確認記録はすべて架空の設定です。
  • 3画面(依頼作成・一覧・詳細)とその項目は、04-02の画面の原型に基づきます。
  • 制作の来歴:本文・ひな形・記入例はClaude Codeが作成しました。人(ユーザー)による実読・内容確認は未実施です。
  • 2026-09-20(Phase 5B-2A):読む順路(3つの深さ)、第4節の判断項目、第5.3節の「抜けの見つけ方」、「一致」が机上の照合であることの明記、記事間の参照を追加した。確認記録・発見事項・完了条件は変えていない。
  • 未確認事項:この確認記録は紙の上での確認であり、実際に動く画面での確認は08以降で行います。