課題発見・企画学習記事全11節Concept

聞き取りメモから、依頼者・承認者・運用管理者を整理する

この記事で身につくこと利用者・担当者・承認者・管理者の違いを説明し、「使う人」と「決める人」と「運用する人」が別であり得ることを例で言える。

記事内目次(18項目)
この記事の管理情報(該当工程・関連要件・成果物の閲覧と保存・実行記録)
記事ID
01-01
該当工程
01-01 利用者と業務の現場を知る(関連:00-04、01-02)
関連要件
REQ-002
到達目標
利用者・担当者・承認者・管理者の違いを説明し、「使う人」と「決める人」と「運用する人」が別であり得ることを例で言える
主要な成果物
確認環境と検証状況
本文・ひな形・記入例はClaude Codeが作成。人による実読・内容確認は未実施。
未検証の範囲
運用管理者への聞き取りは行っておらず、実際の作業・人数・困り事は未確認のまま。

正本の原稿にある管理表(記事ID・先に読むと理解しやすい記事・成果物パス・最終更新日など)は、この下の本文冒頭に「原稿の管理表」として開閉できる形で残しています。

原稿の管理表(13項目:記事ID・カテゴリ・要件ID・先に読むと理解しやすい記事・成果物パス・対象ツール・検証状況・最終更新日など)
管理項目内容
記事ID01-01
主な中カテゴリ01-01 利用者と業務の現場を知る
関連中カテゴリ00-04、01-02
関連要件IDREQ-002
先に読むと理解しやすい記事00-04(人とAIの役割・責任を決める)を読んでいると理解しやすい。未読でも本文で必要な内容は説明する
到達目標利用者・担当者・承認者・管理者の違いを説明し、「使う人」と「決める人」と「運用する人」が別であり得ることを例で言える
3層の配置理解する=第3〜4節/作って確かめる=第5節/設計を判断する=第8節
成果物パスtemplates/01-01-stakeholders_template.md、templates/01-01-stakeholders_example.md
出典第11節参照
対象ツール・バージョン特定ツールに依存しない
検証状況本文・ひな形・記入例はClaude Codeが作成。人による実読・内容確認は未実施
残課題第11節参照
最終更新日2026-09-20(新規作成。同日、Phase 5B-2A:読む順路・第4節の判断項目・記事間の参照を追加し、聞き取りメモの「急ぎかどうか」の発言を未確認事項に反映。整理表・完了条件は不変)

この記事の会社・人物・聞き取り内容はすべて架空の設定です。実在する会社や案件とは関係ありません。

この記事は何の話か。みらい業務サービスの総務課長・総務担当への架空の聞き取りメモから、依頼者・承認者・運用管理者という3つの役割を整理する話です。

なぜ必要か。「利用者」とひとまとめに考えてしまうと、実際にアプリを使う人と、業務のルールを決める人、日々の運用を担う人が別であることを見落とし、必要な機能や権限を取りこぼします。

この記事を読むとできるようになること。

  • 利用者・担当者・承認者・管理者の違いを、「使う人」「決める人」「運用する人」という観点で説明できる
  • 聞き取りメモから、依頼者・承認者・運用管理者の役割ごとに実際の作業と困り事を整理できる
  • 聞き取りで得た情報と、聞き手の推測を区別し、追加で確認すべき事項を一覧にできる

読む順路。この記事は3つの深さで読めます。全部を順に読む必要はありません。

  • 基本だけ理解する:第1節→第3節(使う人・決める人・運用する人の違い)→第4節(判断すること)→第5.2節(整理表)→第9節。ここまでで、自分の業務の関係者を「役割」で分け、聞き取れたことと推測を分けて書き始められます。
  • 作って確かめる:上に加えて第5.1節(聞き取りメモ)→第5.3節(未確認事項)→第6節(完了条件との照合)→第7節。
  • 設計判断を深める:上に加えて第8節(推測のまま進める危険、適用限界)。

1. 今回の業務課題と完成するもの

この記事でやることは、みらい業務サービスの総務課長・総務担当への架空の聞き取りメモをもとに、依頼者・承認者・運用管理者という3つの役割について、実際の作業と困り事を整理表に書き分けることです。

00-04では「人とAIの役割」を扱いましたが、この記事から先は「業務に関わる人たちの役割」を扱います。ここでの役割の区別が、この先の要件定義(記事Aの役割表)・設計(05-03の権限表)の土台になります。

この記事を読み終えると、次のものが手元にできます。

  • 利用者・関係者の整理表(役割、人数の目安、作業、困り事、確認済み/推測)
  • 未確認事項の一覧

2. 前提知識と読む順路

この記事で使う言葉を先に説明します。

利用者・関係者

一言でいうと、利用者はアプリを直接操作する人、関係者はアプリの結果に影響を受けたり、運用に関わったりする人を含む、より広い呼び方です。

聞き取り

一言でいうと、実際に業務をしている人に、困り事や作業の内容を尋ねることです。たとえば、「依頼の進捗が見えない」という総務課長の発言は、聞き取りで得られた情報です。

これがないと、開発する側の思い込みだけで機能を決めてしまい、実際の困り事とずれた仕組みを作ってしまいます。

読む順路:人とAIの役割は00-04が該当します。この記事の整理表は、01-02(現状の流れと困り事を整理する)で使う登場人物になり、整理表の「困り事」欄の発言が01-02の課題一覧の「現象」になります。

3. 理解する:「使う人」「決める人」「運用する人」は別

3.1 4つの立場の違い

立場一言でいうとこの題材での例
利用者アプリを直接操作する人依頼者、承認者
担当者日常の業務を回す人総務担当(依頼の取りまとめなど)
承認者内容を確認し、進めてよいか判断する人総務課長、または割り当てられた承認者
管理者利用者・権限・運用を管理する人運用管理者

同じ人が複数の立場を兼ねることもあります。たとえば、総務課長は「承認者」であると同時に、自分の依頼を出すときは「利用者(依頼者)」にもなります。

3.2 よくある誤解

「利用者はみんな同じことをする」。依頼者と承認者では、できること・見るべき情報がまったく異なります(記事Aの役割表、05-03の権限表で扱います)。

「聞き取りで言われたことがすべて正しい要件になる」。聞き取りは実際の困り事を知る手がかりですが、そのまま要件にするのではなく、01-02で現象と仮説に分け、記事Aで確認可能な条件に整理し直します。

「運用管理者は聞かなくても分かる」。この記事の聞き取りでは、依頼者・承認者の困り事は具体的に聞けていますが、運用管理者の実際の作業・人数はまだ聞き取れていません(第5.3節)。

業務上の困り事について、一方が話し、もう一方がカードを前に耳を傾ける同僚たち。架空の業務場面のイメージ。

4. 判断すること

整理表を作るときに人が判断することは、次の4つです。

判断することなぜ判断が必要か仮置きしてよいか間違えた場合の影響
聞いた相手を、どの役割(依頼者・承認者・運用管理者)に置くか役割ごとに「できること」が違う(第3.1節)。同じ人が複数の役割を兼ねることもある可(迷ったら、その人が「その場面で何をしているか」で置き、兼ねる場合は両方に書く)総務課長を承認者だけに置くと、課長自身が依頼を出す場面(依頼者としての困り事)を取りこぼす
各行が「聞き取り済み」か「推測」か推測を事実として次工程へ渡すと、01-02の現象、記事Aの要件の根拠が、誰も言っていないことになる不可。聞き取れていない行は必ず「推測」または「未確認」と書く運用管理者の作業量・人数を推測のまま計画(03-04)に使い、現実と合わない計画になる(第8.1節)
人数の目安をどう書くか人数は後の費用・運用体制の判断に効くが、この段階で正確な数は取れないことが多い可(「架空の仮定」「未確認」と明記して仮置きする)仮の人数が確定値として一人歩きし、01-04の費用比較の根拠にされる
追加で誰に何を聞くか聞き取れなかった役割・人数・兼務は、放置すると要件定義まで空欄のまま進む可(確認先の候補を書いておけば、実施は02-01の前でよい)運用管理者の困り事が要件に入らず、運用が始まってから機能不足が分かる

勝手に決めてはいけないこと:聞き取りメモにない困り事を、この記事で新しく作りません。聞き手の推測を、聞き取り済みの事実であるかのように書きません。

AIに任せる範囲:聞き取りメモを役割ごとの表に整理する下書き、聞き漏らしやすい観点(兼務、人数、運用担当)の候補出しはAIに任せられます。しかし、誰をどの役割に置くか、どの行が聞き取り済みでどの行が推測かの判断は、実際に聞き取った人が行います。AIは聞き取りの場にいません。

5. 作って確かめる:利用者・関係者の整理表を作る

5.1 準備

みらい業務サービスの架空の聞き取りメモを用意します(記事Aの聞取りメモと同じ設定です)。

総務課長:依頼の進捗が見えない。承認したつもりが記録に残っていなくて、あとで「承認されてないですよ」と言われた。承認を簡単にしたい。

総務担当:依頼がメールとチャットにばらばらに来る。誰が今の担当か分からず、同じ依頼に2人で対応したことがある。急ぎかどうかも本文を読まないと分からない。

5.2 利用者・関係者の整理表

役割人数の目安実際の作業困り事確認済み/推測
依頼者架空の仮定:数名〜十数名程度会議室の予約や備品の発注など、依頼をメールやチャットで送る依頼がメールとチャットに分かれ、誰が今の担当か分からない(総務担当の発言)聞き取り済み(総務担当より)
承認者架空の仮定:総務課長を含む数名依頼の内容を確認し、承認する承認したつもりが記録に残っておらず、後で「承認されていない」と言われる(総務課長の発言)聞き取り済み(総務課長より)
運用管理者未確認(03-01では教材上の仮定として1名としている)利用者・役割・担当割当の管理、運用記録の確認(記事Aの役割定義)未確認推測(記事Aの役割定義から、実際の困り事は未聞取り)

5.3 未確認事項の一覧

未確認事項確認先の候補
運用管理者の実際の人数・作業内容・困り事運用管理者本人への追加の聞き取り
依頼者・承認者の正確な人数総務部門の名簿等(この記事では架空の仮定のまま)
依頼者の中に、複数の役割を兼ねる人がどれだけいるか追加の聞き取り
「急ぎかどうかも本文を読まないと分からない」(総務担当の発言)が、依頼の項目として必要かどうか総務担当・総務課長への追加の聞き取り(この記事では困り事として記録するにとどめ、項目の要否は記事AのQ表で扱う)

6. 確認結果

第5.2〜5.3節の内容を、完了条件と照合します。

完了条件確認結果
3役割すべてに実際の作業が書かれている第5.2節の3行すべてに記載
各行に「聞き取り済み」「推測」の区別がある第5.2節の最終列に記載
未確認事項の一覧がある第5.3節に4件記載

残る制限:この整理表は架空の聞き取りメモに基づく一例です。運用管理者については実際の聞き取りができておらず、記事Aの役割定義からの推測にとどまっています。この記事の本文と記入例はClaude Codeが作成したもので、業務担当者による内容確認は行っていません。

7. よくある勘違いと直し方

  • 聞き取れなかった役割を、聞き取れた役割と同じ確からしさで書いてしまう:運用管理者の行を「聞き取り済み」にしてしまうと、実際には確認していない情報を確認済みと誤解させます。「推測」と明記します(第5.2節)。
  • 困り事をそのまま機能要件だと思ってしまう:「承認を簡単にしたい」という困り事は、そのままでは要件になりません。記事AでM-2として分解し、REQ-001〜005のような確認可能な条件にします。

8. 設計を判断する

8.1 推測のまま進める場合の危険

役割推測のまま進めた場合の危険
運用管理者実際の作業量や人数が分からないまま、07-04のAI実行ルールや03-04の役割表を作ると、現実と合わない計画になる可能性がある

この記事の時点では、運用管理者への聞き取りができていないため、後工程(03-01・03-04)では「教材上の仮定」として扱われています。実際の業務でこの記事を使う場合は、推測のまま次工程へ進めず、追加の聞き取りを行うことが望まれます。

8.2 適用限界

この整理表は、架空企業「みらい業務サービス」の一部(総務課長・総務担当の2人)への聞き取りに基づく一例です。実際の業務では、より多くの利用者・関係者への聞き取りが必要になることがあります。

9. 持ち帰る成果物

成果物空欄版記入例
利用者・関係者の整理表ひな形(役割、人数の目安、作業、困り事、確認済み/推測)templates/01-01-stakeholders_template.mdtemplates/01-01-stakeholders_example.md

自分の業務に使うときの手順は次のとおりです。

  1. 業務に関わる人たちに、実際に聞き取りを行う
  2. 聞き取った内容を、役割ごとに実際の作業・困り事に整理する
  3. 聞き取れた情報と推測を区別する
  4. 追加で確認すべき事項を一覧にする

10. 次工程への受渡し

次へ渡すもの:利用者・関係者の整理表、未確認事項の一覧。

次工程での使われ方:01-02(現状の流れと困り事を整理する)では、この整理表の役割を業務フローの登場人物として使い、「困り事」欄の発言を課題一覧の「現象」にします。

前工程へ戻る条件:この整理表が00-04の役割表(人が判断する項目)と食い違う場合は、00-04に戻って確認します。

11. 根拠と更新情報

  • この記事の会社・人物・聞き取り内容はすべて架空の設定です。
  • 聞き取りメモ(総務課長・総務担当の発言)は、記事Aの記入例で使われている設定と同一のものを使用しています。
  • 依頼者・承認者・運用管理者という3役割、および運用管理者の役割定義(利用者・役割・担当割当の管理、運用記録の確認)は、記事Aおよび教材設計書AI_SYSTEM_DEV_BLUEPRINT_v0.1.md第5.2節に基づきます。
  • 制作の来歴:本文・ひな形・記入例はClaude Codeが作成しました。人(ユーザー)による実読・内容確認は未実施です。
  • 2026-09-20(Phase 5B-2A):読む順路(3つの深さ)、第4節の判断項目(判断すること・仮置き可否・間違えた場合の影響・AIに任せる範囲)、記事間の参照を追加した。聞き取りメモにあった「急ぎかどうか」の発言を第5.3節の未確認事項に加えた。整理表・完了条件は変えていない。
  • 未確認事項:運用管理者への聞き取りは行っておらず、実際の作業・人数・困り事は未確認のままです(第5.3節)。